コラム ヒロ医ズム

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間も無く、歯科医師になってから33年が経とうとしています。大学病院研修医時代、勤務医時代、開業医時代と大きく分けて3つのフェーズで仕事をしてまいりました。口腔外科という領域は、歯科的治療(虫歯、歯周病という2大疾患など)も含め顎口腔系疾患が多岐にわたるため、守備範囲も広くなります。札幌医大口腔外科学講座での研修医時代は、外来での診療、病棟での管理と手術、局内での研究とやることが山積で、とにかくバタバタしておりました。朝7時半に出勤して帰りが夜中の1時なんてざらでした。ですが当時は口腔外科単科で入院ベッド数が50床あり、日本一であったところでの治療はその後の私の人生に大きく影響を与えるものでした。非常に感謝すべき研修の場を頂けていたと思います。

その後、勤務医を経て開業医となるのですが、変わらない思いは目の前の病気、疾患を治したいという気持ちです。もちろん神ではないので全てを治せるわけではありません。治す努力をするということです。ただ若き時代の自分と違うところは、単に「治す」という、ゴールは一つだ!として進む治療…ではなく、どうしたら患者さんが喜ぶ治療につながるだろうかということを考え、治療のゴールに選択肢を持たせるという点かと思います。
例えば、動いていて、たまに痛みがある「抜かなければならない歯」があったとします。悪いから抜きましょうということで抜くことは確かに治療のゴールです。ですが、その患者さんからすると、「悪いのは分かっているけど、もう少しこのまま残したい、常時痛くなった時に抜きたい」となればそれを叶えてあげられることがもう一つの、その患者さんが喜ぶゴールということになります。持病などの全身疾患も考慮した上で解決策を考え、実行することができれば、悪い歯は無くなっていませんがその患者さんにとっては満足のいくゴールになったということです。もちろんその場合は、それを維持できるサポートも必要です。それがかかりつけ医というものではないでしょうか。

この病気にはこの治療法という道筋はあっても、それが全てではありません。一人一人の患者さんのお話をよく聞き、望む方向へ話し合って決めて行く。それが今の私が行っている治療です。

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